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アスベストは住宅にも使われている?解体時に気をつけるべき点を解説

2023年03月17日お役立ちコラム

「ビルやマンションにアスベストが使用されているのは知っているけど、一般住宅に使用しているとは知らなかった」
そんな方もいるかもしれません。

アスベストが使用されていた1950~1975年の間、実はいろいろな建物で使用されていました。
そのため、住宅であっても、アスベストが使用されている可能性があります。

改正法で事前調査が義務化となり、使用されている可能性のある建物では調査が必要です。
アスベスト調査が必要な住宅の条件と調査方法、解体時の注意点を詳しく解説します。

アスベストは住宅にも使われている?解体時に気をつけるべき点を解説

 

住宅解体|アスベストがあるとどうなる?

アスベストは住宅にも使用されている可能性があり、解体の際には適切な除去工事が必要です。
人体に有害なアスベスト使用住宅を解体してしまうと、粉を吸い込んでしまい肺がんなどを発症する危険性があります。

そのため、使用の可能性がある場合には必ず事前調査が必要です。

住宅を解体!アスベストの有無を調べる方法

解体前にアスベスト使用を確認する方法はどのような方法があるのでしょうか?
主な確認方法を3つ紹介します。

時期を確認|住宅がいつ建てられたかは重要

アスベストが合法使用されていたのは、1952年~1975年の間です。
この期間以外に、使用が許可されている建材を使用していた時期も存在します。

この期間内か、近い時期に建てられている住宅には、アスベストが使用されているかもしれません。
使用されている建材にアスベストがいつまで使われていたか確認し、判断をしてください。

判断基準|使われやすいところをまずチェック

アスベストは素人では判断しにくい場合が多いです。
アスベスト診断士は使われやすい場所をチェックし、特徴を元に使用有無を確認します。

材料の色(吹付石綿) 青色・灰色・白色および茶色
外見の特徴 表面が綿状でやわらかい
針による貫通度の特徴 針が容易に貫通する

使用場所は、鉄骨の梁・柱・鉄板床・屋根材・外壁などが多い傾向にあります。

調査できる人|専門家のみ対処可能

建てられた年数などを調べアスベストを含む建造物に該当する可能性がある場合は、まず専門業者に相談してください。
図面などに記載されている資材などでも判断ができるので、不要な調査をしないように確認しましょう。

アスベスト調査は、2023年10月以降有資格者のみが調査を行えます。
依頼する業者が資格を持っているか確認し、調査依頼をしてください。

住宅解体|アスベストが使用されていそうな建物はどうする?

解体を予定している住宅がアスベストを使用している可能性がある場合、なにをするべきでしょうか?
ここでは、住宅解体までの流れを詳しく紹介します。

調査を行い報告をする

解体前にアスベストの使用が疑わしい場合、事前調査(図面・現地)を行います。
現地調査を行い、サンプル採取をして、含有率が0.1%を超える場合には規制の対象に該当します。

レベル1 ・工事計画届

・特定紛じん排出等作業届書

・事前届出の実施

・建築物解体等作業届

レベル2 ・特定紛じん排出等作業届書

・事前届出の実施

・建築物解体等作業届

レベル3 ・事前届出の実施

アスベストが見つかったら報告や除去工事の届出書類を提出し、除去工事を行いましょう。

除去工事を行う

届出を行ったら、アスベストの除去工事をします。
飛散したものを近隣住民が吸い込んでしまうと、肺がんなどを発症する可能性が高まります。
必ず業者に飛散防止をしてもらい、アスベストの除去工事を行いましょう。

アスベスト除去工事はレベルによって作業内容が異なります。
レベルを確認したうえで、適切な除去工事をしてもらいましょう。

除去後に建物の解体工事をする

アスベストを完全に除去したら、通常の住宅解体工事を行います。
内装材・窓ガラス・サッシなどを撤去し、屋根・梁・柱・外壁の順に解体していきます。

既にアスベストは除去されていますが、周囲に残っている可能性もゼロではありません。
ホコリが周囲に舞い上がらないように注意をしつつ、散水を行いながら作業員は解体作業を行います。

アスベスト使用住宅|解体時のポイント

アスベストが使用されている住宅の解体方法を、ここまで紹介しました。
ここからは、解体時になにが必要となるのかポイントを紹介します。

都道府県への届出が必須

アスベストの事前調査を行った場合、都道府県に届出の提出が必要です。
事前調査が必要な工事は、以下の通りです。

・建築物を解体する作業をともなう建設工事(床面積の合計が80㎡以上)
・建築物を改造し、又は補修する作業をともなう建設工事(請負代金の合計額が100万円以上)
・工作物を解体改造し、又は補修する作業をともなう建設工事(請負代金の合計額が100万円以上)

対象となる調査を行ったら、必ず報告をしてください。

作業場所を隔離し撤去をする

除去作業時には除去箇所を必ず隔離します。
アスベストが飛び散らないよう隔離したうえで、必要に応じた作業を行うのです。

作業手順は、以下の通りです。

1.集塵・排気装置の稼動
2.抑制剤による湿潤化させる
3.ケレン棒等により吹付けアスベストを掻き落とす
4.ワイヤーブラシなどを使用し付着しているアスベストを取り除く
5.目視により除去が十分に行われたと確認
6.吹付けアスベスト除去面に粉じん飛散防止処理剤を散布する

これらの作業は、研修をしっかり終えたアスベスト作業員が行います。

まとめ

アスベストは体に害を及ぼす物質であり、吸い込んでしまうと簡単には排出されません。
アスベスト改正法により、アスベストが使われている場合には事前調査が必要です。
解体工事を行う場合にも、適切な処理をせねばなりません。

素人ではアスベストが含まれるかの判断が難しいため、必ず専門業者へ相談して正しく処理を行いましょう。

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