お役立ちコラム
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アスベストが使われている建物の解体費用を紹介
2022年06月30日お役立ちコラム
アスベストは健康に甚大な害を与える物質といわれており、建物に使われている場合は除去するための工事をしなければなりません。
そのためには調査が必要になりますが、工事をしなければいけない場合、どのように除去すれば良いのか、どういった工事をすれば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、アスベストについて、また解体工事の種類や費用などを解説していくので、工事を検討している方は参考にしてみてください。
アスベストとは何?
アスベストは綿のように柔らかく軽い繊維状のケイ酸塩鉱物で、耐火性や耐熱性、防音性など優れた特性を持つ天然の材料です。
そのため、電気製品や家庭用製品など生活に欠かせないものだけでなく、多くの建設資材にも使われています。
もともと、素材自体には害はありません。
しかし、資材の中に含まれる繊維素材が空中に飛散し、それを大量に吸い込むと肺がんや悪性中皮腫などを引き起こす要因となることが分かっています。
そのため、現在はアスベストの含有量が0.1%を超える物の製造や輸入はもちろん、使用すること自体が禁止されているのですが、規制前に建てられた建築物の場合は使われている可能性があります。
住宅でいうと、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の戸建て住宅のほとんどに使われており、内装材や外装材にも含まれていることもあるのです。
もしもアスベストが使われている住宅に住んでいる場合は、健康被害の有無に関わらずすぐに除去しなければならないのです。
アスベストの解体費用はいくらかかる?
解体費用は処理する建築物の面積や形状、工事の施工条件によって変わります。そのため、物件によって費用は異なるのですが、国土交通省が2007年に除去単価の目安を発表しているので紹介します。
処理面積 | 費用の目安 |
300㎡以下 | 20,000~85,000円/㎡ |
300~1,000㎡以下 | 15,000~45,000円/㎡ |
1,000㎡以上 | 10,000~30,000円/㎡ |
参考資料:国土交通省Q&A
また、面積だけではなく、使われている素材によっても解体費用の目安があります。
素材 | 費用の目安 |
天井や梁 | 20,000~85,000円/㎡ |
配管や内壁 | 15,000~45,000円/㎡ |
屋根 | 65,000円/坪 |
専門知識がないと分かりづらいと思いますが、このように、面積や素材によって費用には大きな幅があります。
そのため、正確な解体費用を知るにはアスベスト対策の実績や経験を持つ専門業者に相談することをおすすめします。
アスベスト解体工事には種類がある
解体工事には、三つの種類があります。
種類に関係なくしっかり除去できますが、念の為工事の種類を知っておきましょう。
カバーリング工法
カバーリング工法は、空間にアスベストが飛散するのを防ぐための工事で、囲い込み工法ともいいます。
この工法では、アスベストが使われている素材を建築物に残したまま、造膜材や薬剤を用いて表層部を固着させて、飛散しないように閉じ込めます。この工法は、施工期間が短いというのがメリットです。
ただし、囲い込むだけの工事となるので、建物を解体したり改修したりする場合は、再度除去しなければなりません。
リムーバル工法
リムーバル工法は、解体工事の中で多用されている工法で除去工法とも呼ばれています。
この工法はアスベストが使われている素材を下地から取り除くので、工事後は健康被害を心配する必要はいっさいありません。
ただし、その分工事は大がかりになるため、施工期間も長く費用も高い傾向にありますが、建物を改修・解体するときに再度工事をしなくても良い、というメリットが得られます。
エンカプスレーション工法
エンカプスレーション工法は、アスベストが空中に飛散しないよう素材内に封じ込める工法です。
素材の上に薬剤を塗布して、粉塵が飛び散らないように凝固させ健康被害を防ぎます。
この工法は短期間での施工が可能である、工事中にアスベストが飛び散るリスクも少ないため、住宅密集地などでの工事に適しています。
また、費用も安く抑えられますが、カバーリング工法と同様に完全に取り除く工事ではないので建物の改修・解体時には改めて除去工事が必要になります。
アスベスト解体工事を安くする方法について
アスベストの解体費用は施工条件によって異なりますが、いずれにしても高額な費用がかかります。
しかし、場合によっては安くすることもできるので、ここではその方法を紹介します。
補助金制度を利用する
アスベストの除去工事に対しては、国が補助金制度を創設しています。
給付を受けるには条件がありますが、補助金制度を実施している地域であれば、地方公共団体経由で補助金を支給してもらえるので利用しましょう。
ただし、地域によっては補助制度を行っていないこともあるので、工事を行う建物のエリアを管轄している地方公共団体に確認してください。
複数の業者に見積りを依頼する
同じ工事内容であっても、施工業者によって費用は異なります。
一社しか見積りを取らないと、高いか安いかも判断できないので、必ず複数の業者から見積りをもらいましょう。
複数の業者に見積りを提示してもらえば、無駄に高額な費用を払うことを避けられます。
アスベストのことはプロに相談しよう
アスベストの解体費用に関してはいろいろな不安があると思いますが、アスベストが心配の方は、まずは調査から始めることをおすすめします。
株式会社松ダイナミックでもアスベスト調査を行っていますので、アスベスト除去をお考えの方や費用について悩んでいる方はご相談ください。