お役立ちコラム
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内装解体はどんな手順で行われる?工事の坪単価の相場はいくら?
2022年08月20日お役立ちコラム
解体工事は、建物自体を解体する「建物解体」と、建物の内装のみを解体する「内装解体」に分けられます。
そのうち内装解体は、会社・店舗経営における移転や閉店・廃業に伴い、借りているオフィスやテナントを明け渡す際に行われることが多いです。
内装解体の坪単価には相場がありますが、建物の種類によって差が生じます。
そこで今回は、内装解体とは何か、内装解体の工法の種類、内装解体前に必要な準備、解体の手順、内装解体の費用相場について解説します。
内装解体とは何か?工法の種類の特徴は?
内装解体とは、借りていたオフィスやテナントを契約前の状態に戻すため、建物の構造物を除いた内装の解体や、設備・備品の撤去を行う工事のことです。
会社事務所や飲食店、美容室、アパレルショップなどさまざまなテナントが工事の対象となります。
内装解体はどの程度の解体を行うかによって、以下の2種類に分けることができます。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事は、天井や壁・間仕切り・床などの内部構造を含め、建物の骨組み(構造体)以外を全て解体する工事です。
内部構造だけでなく、電気配線や冷暖房設備・ダクト・配管なども撤去し、最終的にはコンクリート打ちっぱなしの状態になります。
原状回復工事
原状回復工事とは、契約後に追加した壁・間仕切り・床を解体して、入居前の状態に戻す工事のことです。
後から持ち込んだ設備や備品の撤去も行われます。
テナントのスペースが広いほど、リフォームの規模が大きいほど、原状回復工事の規模も大きくなります。
内装解体前に必要な準備とは?
借りていたテナントを解体することになったら、内装解体に入る前にいくつかの準備をしなければなりません。
ここでは、内装解体前に必要な準備の内容をご説明します。
貸主と借主の間での打ち合わせ
まず、内装解体について、建物の所有者である貸主と打ち合わせを行います。
そもそも、内装解体は借主の独断で行うことはできず、貸主の合意が必要です。
次に入るテナントが決まっている場合、それを考慮して工法や工事の日程などを確認していきましょう。
解体業者の選定と現地調査
内装解体業者に相見積りをとり、費用や工事内容・工期などを比較して、依頼する業者を選定します。
業者を決めたら現地調査が行われます。
見積りの段階で現地調査に来てもらうことは可能ですが、契約後に改めて現地調査をするのが望ましいです。
後のトラブルを避けるためにも、工事の範囲は綿密に打ち合わせを行いましょう。
また、同じ建物内の付近の店舗の営業時間なども考慮してスケジュール調整を行います。
近隣住民や店舗への挨拶
内装解体では騒音や振動が発生するため、工事前には必ず近隣住民や店舗に挨拶回りを行いましょう。
「きちんと対策を行うこと」と、その上で迷惑をかけてしまう場合があることをしっかりと説明する必要があります。
残留物の撤去
家具や家電製品など一般廃棄物として処分できるものを、借主が撤去します。
残留物がそのままになっていると、工事に遅れが生じ、追加費用がかかる恐れがあるため注意しましょう。
ライフラインの停止
ガスや水道、電気、電話などのライフラインの停止を行います。
ビル全体で契約している場合があるため、事前に貸主に相談しておきましょう。
内装解体の5つの手順
全ての準備が整ったら、いよいよ内装解体工事に入ります。
ここでは、内装解体の手順をご紹介します。
1.足場や養生の設置
工事の際に発生する埃や粉塵が周囲に飛散しないよう、足場や養生シートの設置を行います。
足場の外周はもちろん、エレベーターや廊下などの共有部分も養生します。
2.内装の解体と撤去
照明器具や設備を撤去した後、壁紙やガラス・ドア・天井などの内装材を解体、撤去していきます。
作業の際は埃や粉塵が発生しやすいため、マスクやゴーグルを装着すること、ゴミの分別に気を留めることが大切です。
3.床材の撤去
床材を使用している場合は撤去します。
素材によって用いられる接着剤が異なるため、適切な方法で取り除く必要があります。
例えば、コンクリート製の床の場合は、ハンマーで解体する「斫り(はつり)」と呼ばれる作業を行います。
4.産業廃棄物の処理
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき、産業廃棄物の処理を行います。
不法投棄などを行う業者も存在するため、業者に「マニフェスト」という書類を提出してもらいましょう。
マニフェストには、廃棄物処理の流れや業者名などが記載されています。
5.室内清掃やリフォーム
解体工事や廃棄物処理の後は、細かなゴミや塵を掃除します。
内部解体の結果、修繕が必要と判断される場合は、リフォームが行われることがあります。
内装解体の坪単価はどれくらい?
内装解体にかかる費用は、物件の面積や立地条件・階数・エレベーターの有無によって違いが生じます。
しかし、大体の相場というものがあるため、予算を立てる際や業者に見積りをとる際の参考にしてください。
まずは、内装解体の坪単価の相場をみてみましょう。
建物やテナントの種類 | 坪単価の相場 |
マンション | 15,000~35,000円 |
オフィス・事務所 | 13,000~37,000円 |
飲食店 | 15,000~40,000円 |
美容室 | 15,000~42,000円 |
一般的な店舗 | 13,000~42,000円 |
設備や備品、間仕切りが多い業種では、内装解体の坪単価が高い傾向にあります。
次に、内装解体工事単価の事例をみてみましょう。
建物やテナントの種類 | 坪数 | 内装解体工事単価 |
マンション | 30 | 90万円 |
オフィス(プレハブ) | 18 | 55万円 |
飲食店 | 30 | 40万円 |
美容室 | 20 | 50万円 |
工場 | 50 | 540万円 |
内装解体工事単価については、数十万から数百万までの事例があります。
例えば、アスベスト建材が使用された工場の場合、アスベスト除去に多額の費用がかかるため高額になっています。
まとめ
今回は、内装解体の手順や坪単価について解説しました。
内装解体は費用がかかるイメージがありますが、次に入るテナントが同じ業種の場合など、設備の撤去をしないことで費用が抑えられることもあります。
貸主との話し合いにより、内装解体の費用を抑えられる可能性があることも覚えておきましょう。
アパートやマンション、テナントの内装解体工事をご検討の方は、株式会社松ダイナミックにご相談ください。